最小化 チャータ憲章

自然または技術的な災害時における宇宙施設の調和された利用を達成するための協力に関する憲章 (仮訳)

改訂版3(2000年4月25日).2

内容

前文
第1条 定義
第2条 憲章の目的
第3条 協力の全体的な枠組み
第4条 当事者の貢献
第5条 関係機関
第6条 加入
第7条 発効、終了及び脱退
第8条 実施

前文

自然現象または技術的な事故により生じた災害の管理において、宇宙技術、特に地球観測、通信、気象学及び測位に係る技術の応用の可能性を認識

自然または技術的災害の管理のための宇宙施設の利用に関するイニシアティブの発展を認識し

救助及び市民保護、防衛及び安全保障機関から示された関心、及びかかる関心に対し宇宙施設へのアクセスをより容易にすることによる対応の必要性を認識し、

かかる人道的取り組みにおいて国際協力を強化することを切望し、

そのリソースと力を統合することにより、利用可能な宇宙施設の利用を改善し、危機の被災者及びそのらの支援を要請された機関に対して提供されるサービスの効率性を高めることが可能であると 確信し、

宇宙からのリモートセンシングに関する1986年の国連決議41/65に留意し、

以下のとおり合意した。

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第1条  定義

本憲章の適用上、

「自然または技術的災害」とは、人命の喪失または大規模な財産の滅失をともなう非常に困難な事態であって、サイクロン、竜巻、地震、噴火、洪水または森林火災等の自然現象、あるいは炭化水素類、毒物または放射性物質による汚染等の技術的事故により引き起こされたものをいう。

「憲章」とは、本文書をいう。

「危機」とは、自然または技術的災害の発生直前、発生中、あるいは発生直後であって警報、緊急活動、または救助活動が行われる期間をいう。

「宇宙データ」とは、いずれかの当事者が管理し、またはアクセスしうる宇宙システムにより収集され、地上受信局に送信または転送された生データをいう。

「情報」とは、一または複数の関係機関による受益者の援助のために危機管理における利用に備えて当事者が解析プログラムを利用して補正、処理したデータをいう。これは、現場で利用される特定プロダクツの抽出のための基礎を形成する。

「宇宙施設」とは、観測、気象学、測位、通信、及びテレビ放送のための宇宙システム、またはその要素(搭載機器、端末、ビーコン、受信器、VSAT及びアーカイブス)をいう。

「当事者」とは、本憲章の署名者である機関及び宇宙システム運用者をいう。

「関係機関」とは、第5.2条及び第5.3条に規定される救助及び市民保護、防衛及び安全保障機関、またはその他のサービスをいう。

「協力機関」とは、当事者とともに協力する、第3.5条に規定される様々な団体及び機関を総じていう。

「危機被災者」とは、その利益のために関係機関が当事者の協力を求める、いかなる国家または共同体をいう。

「受益機関」とは、危機管理のための情報から利益を受ける全ての者をいう。例えば、災害の影響を受けた国の関係政府当局及び機関である。災害時には、一定の関係機関も受益機関となりうる。

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第2条  憲章の目的

本憲章は、自然または技術的災害から生じる危機の管理への貢献として宇宙施設の利用における宇宙機関と宇宙システム運用者との間の協力の促進を通じて以下の目的を追求するものである。

-国家または共同体の住民、活動、または財産が自然または技術的災害の切迫した危機にさらされている場合、または既にその被災者である場合における、危機の期間中の当該国家または共同体に対する潜在的危機の予測及び管理のための重要な情報の基礎を提供するデータの提供。

-当該データ、及び宇宙施設の利用から生じる情報並びにサービスといった手段を用いた、緊急援助または復興及びそれに続く活動の編成への参加。

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第3条  協力の全体的な枠組み

3.1  当事者は、任意にそれぞれの協力を発展させる。当事者間での資金の授受は行わない。

3.2  本憲章は、以下の第6条の規定に従い、本憲章での協力への参加を意図する宇宙機関、及び国内または国際宇宙システム運用者に対して署名のために公開される。

3.3  本協力の達成に必要な行政、運用及び技術的調整は、各当事者が代表される委員会、及び本憲章の実施のための事務局により実施される。

3.4  災害の影響を受けた国の関係政府当局及び機関(受益機関)は、当事者の関与を要請するにあたり、本憲章の当事者の属する国、または当事者である国際機関に属する国における市民保護、防衛及び安全保障機関(関係機関)を直接通じて、もしくは適当な場合には関係機関と連携して活動する協力機関を通じて行うべきものとする。

災害の影響を受けた国は、当事者の事務局にも直接接触できるが、関与そのものの目的上当該国の団体は、一または複数の関係機関と連携しなければならない。

上記規定は、いかなる場合でも当事者自身の任意による関与を妨げるものではない。

3.5  欧州連合、国連人道問題調整局(UNBCHA)及びその他の認定された6つの国内または国際組織は、当該組織が政府組織であるか非政府組織であるかを問わず、当事者が本憲章の実施にあたり相互に協力することが考えられる機関(協力機関)である。委員会は、定期的に更新された協力機関リストを維持するものとする。

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第4条  当事者の貢献

当事者は、以下により、本協力の実施において最善の努力を尽くすこととする。

4.1  利用可能な宇宙施設

当事者は、その管理下にある利用可能な宇宙施設について、また可能な範囲において、当事者自身の宇宙施設を補完するために利用可能である民間又は公共の運用者の管理下にある宇宙施設について、最新のリストを維持する。当該リストは特に、各宇宙システムに係る以下の詳細について記載する。

- ミッションの特徴
- 軌道要素
- 運用状況
- 運用計画手順
- 地上システムにより提供されるプロダクトやサービス

4.2  シナリオ作成

当事者は共同して、宇宙施設が関係政府当局及び救助サービスに対して効果的な支援を提供しえた、又は実際に支援が提供された最近の危機を分析する。事務局は、以下第5条に規定される関係機関と、更に必要に応じて協力機関と協議の上、特定された危機及び遭遇状況の類型に応じて構成され、既存の施設により可能な貢献について特筆した報告書を作成する。

さらに当事者は、災害の警報、予測及び管理に関する応用研究において開発されつつある新しい手法の最新状況について常に把握しておくこととする。関係政府当局及び機関により特定、実証された場合は、委員会の承認を前提に、当該新手法(又は技術)は実運用前実施試験に供されうる。しかる後事務局は、試験報告及び当該手法の応用分野の評価書を作成する。

最後に、事務局は、上記のとおり、危機の類型に応じたシナリオの設計及び提案を行う。各シナリオでは、危機が特定された際に当事者が適当な情報及びサービスを提供する行動を調整するにあたっての条件を記載する。かかる利用可能な宇宙施設へのアクセスもそれに応じて計画される。当該シナリオは、委員会により承認され、定期的に更新されるものとし、危機が特定された際の行動の基礎とされる。

4.3  危機的事態の特定

危機的事態とは、主として災害の被害を被った国によりしかるべく特定され、かつ少なくとも一関係機関が、上記第3.4条の規定により、憲章の規定に基づく関与を求めた場合に存在する。

事務局は、すべての関係機関の要求を取り扱うこととし、いったん危機的事態を特定した時には、適切な行動をとるための調整を行う権限を有する。

4.4  危機の際の宇宙施設利用可能性に係る計画作成

危機の際には、当事者は最善の努力を尽くして宇宙施設の利用可能性を計画し、もしくは当該施設がしかるべく計画されるように調整する。

係る計画は、上記第4.2条に定義された対応するシナリオにおける条項を反映するものとする。

警戒又は潜在的な危機の際には、当事者は予測のもとにそれぞれの管理下にある衛星システムの利用可能性を計画することができる。

4.5  計画調整の遂行のための組織と支援

当事者は、特定された危機シナリオに従い、関係機関、及び適当な場合には受益機関に対して、宇宙施設によって取得されたデータ及び必要な場合には関連情報並びにサービスを提供するべく最善の努力を尽くすものとする。

シナリオに記述された手順の実施は、当事者間において任務の調整が行われることを意味し、利用可能なリソースを組み合わせることにつながりうる。

- 保管データへのアクセス
- 危機前の状況の理解を援助するためのデータの併合
- 危機時に取得されたデータへのアクセス
- 危機について報告するための当該データの併合
- ユーザへの情報の回送
- 全ての利用可能な技術的資源へのアクセス-通信、データ収集、航法

特定のプロダクトを入手するためのデータ又はその他のサービス(通信、データ収集、航法)のアクセス及び統合のための手順は、可能な限りシナリオに記述されるものとする。

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第5条  関係機関

5.1  当事者による関与の際の関係機関の役割については、第3.4条に規定される。

5.2  関係機関とは、本憲章の目的上、本憲章の当事者たる機関又は運用者の管轄国、もしくはESA又は本憲章の当事者たる国際機関の加盟国の下で、救助及び市民保護、防衛及び安全保障について責任を有する組織又はサービスとする。

5.3  委員会によって上記に準ずる者として認められた者又はサービスもまた、関係機関とみなすことができる。

5.4  当事者は、災害の影響を受けた国又は国々の要請にもとづき当事者の支援を求める関係機関が、以下の措置をとることを確保する。

- 危機発生の際は、直ちに事務局に通報し、コンタクト・ポイントを指定する。
- 事務局に必要な詳細情報を迅速に提供する。
- 提供された情報を、事務局との間で定められた目的のためにのみ、利用する。
- 必要に応じて事務局によって組織される関連会合に参加する。
- 提供されたデータ、情報及びサービスの利用状況について報告し、関与があった各ケースについて評価を作成する。
- 本憲章にもとづく活動、サービス又は提供行為の履行又は不履行から生じる人的傷害、損害又は金銭的損失に関し、当事者に対していかなる法的措置も起こさないことを確認する。
- 事務局と、又は委員会との間で合意されたその他のいかなる条件にも従う。

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第6条  加入

6.1  当事者は、できる限り広い範囲の機関又は国内若しくは国際宇宙システム運用者による本憲章への加入を奨励することを意図するものである。

宇宙施設へのアクセスを有するいかなる宇宙システム運用者又は宇宙機関であって、上記第4条にもとづき当事者によりなされた約束に貢献することに合意し、かつ本憲章の規定にもとづく当事者の責務を負う意志を有するものは、本憲章に加入することを要求することができる。

6.2  委員会は、加入要求を審査し、当該要求提出から180日以内に本憲章当事者への勧告を作成する。その際に委員会は、いかなる新規加入についても特に以下の点を満たすことについて検討する。

- 加入者が、本憲章の目的のために必要な関与能力に重要な貢献をもたらし、かつ応分の共通経費の負担を負うことを約束すること。
- 当事者の目的達成の支援となること。
- 既存のシステムの通常の配置を損なわないこと。

上記委員会の勧告にもとづき、いかなる加入も本憲章の当事者全員の合意による承認を必要とする。

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第7条  発効、終了及び脱退

7.1  本憲章は、少なくとも2つの当事者による署名の日に効力を生ずる。本憲章は、当事者による相互の合意によりいかなる時にも終了させることができる。いかなる当事者も、他の当事者に対する180日事前の書面による脱退の意志の通知によって、本憲章から脱退することができる。脱退を意図する当事者は、それぞれの現在の貢献の継続性を維持する努力をするものとする。

7.2  上記第7.1条の規定を前提に、本憲章は効力発生の日から5年間有効とし、以後5年ごとに自動的に更新されるものとする。

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第8条  実施

本憲章のための実施取決めは、委員会における当事者の会合によって規定されるものとする。

これを証するため、署名者は等しく真正な英語とフランス語それぞれの原本に署名した。

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